旅を楽しくするArduino端末を作る。その2-不満点をまとめよう-

前回はハンドル周りに計器をつけすぎたせいで、ハンドル周りが乱雑になってしまった背景を説明しました。
第2回目では何のセンサーが必要なのかをまとめます。
第一回はこちらからどうぞ。

現状の整理

ツーリング中に必要または、ほしいと思っている情報&機能をリストアップします。

1.  スマホ用のUSB電源

バイクを購入したら一番最初にカスタムする個所といっても過言ではないのでしょうか?
スマホでナビを使っているとすぐ電池がなくなりますので、ロングツーリングの際は必須の装備だったりします。
最新のバイクでは12Vアクセサリー電源が標準で付いていたりしますね。

最近は、スマホの充電にUSB-typeCのPD使って、30W給電ができたりするものがあるらしいですが、私のスマホはいまだにMicro-USBですので、2A出力に対応しているだけで充分です。

USB電源はArduino側で電源制御させれば、今回作る端末に寄せられそうです。

2.  スマホホルダー

これも定番ですね。
近年のバイクでは、AppleCarとかAndoroid Autoなどでバイクと連携できるので、スマートフォンをバックに入れたままで良いみたいですが、そんな機能は私のバイクにはついていません。
サイズが大きいので何とかしてコンパクトにしたいのですが、スマートフォンが物理的にハンドル部を占有しますので、これはコンパクトにできないですね。

3.  バイクのバッテリーに接続する電圧計

バッテリーの電圧を確認することは、バイクの電装系の健全度を測る大事なことです。
バッテリー電圧が下がっていくことで、バッテリーの寿命を測れるのは一般的に知られていますが、電圧からトラブルの予兆を察することもできます。

具体例として、以前乗っていたCRF250Lでは使用していたヒューズが接触不良を起こしており、電圧が安定していませんでした。
そのことが電圧計から分かっていたので、電装系が壊れる前、またはヒューズが飛ぶ前に点検を行うことができ、大事には至りませんでした。

ほかにもエンジンをかけた際に電圧が異常に高かったり、逆に定格電圧より低かったりすると、エンジンスターター、オルタネーター系のトラブルの予兆だったりします。

こんなにいろいろ分かる情報源である電圧計ですが、電圧計内部は非常にシンプルなつくりをしています。
安いものだと分圧回路にLCDをつけたものだったりするので、これも今回作成の端末に組みを予定しています。

4.  温湿度計

奥日光は宇都宮市街地と比べ10度以上気温が違うことがざらです。

これはツーリングを楽しくするために付けています。
日本には四季がありますから、暑い中涼しい山頂を目指したり、逆に凍える位寒い中海を見に行ったりすることは、ツーリングライダーにとって日常茶飯事です。そんな中

「山頂は下と比べて10度も涼しいんだ!」
とか
「今日は寒いな。うああ-1度じゃん、そりゃ寒いわ」

ということを知る(思う)ことができることは意外にも楽しいものです。
また、帰ってからの話のネタにもなりますよ。

温湿度計は、昔はアナログ計しかありませんでしたが、今は親指サイズの小さいデジタル計がありますので、今回作成の端末に組みを予定しています。

9月の気温。もちろん日本です。

5.  高度計

温湿度計と同様の理由でツーリングを楽しくするために付けています。
ただ、現在つけているものはあまり精度がよくないので、改良の意味も込めて今回作成します。

6.  気圧計

雨の景色もいいけれど避けたいのがライダーの心情

皆さんは天気予報の気圧図をご覧になるでしょうか?正直天気に詳しくないと気圧図なんて見てもなんも情報を読み取れないのですが、低気圧があると天気が悪くなることはぐらいはご存知だと思います。
これは別に世界地図規模の大きさでしか適用されるわけでなく、局地的にも同様のことが言えます。

山を登っているわけでもないのに気圧が低下する。これは天気が悪くなる予兆です。
また、1000hpa以下の気圧を平地で記録しているときは天気がぐずつきやすいのでこれも注意が必要です。

意外と知っていると便利な気圧。これも小型センサーで測定できるので、実装予定です。

7.  方位磁石

方位「磁石」というと地球の地磁気を利用したセンサーになってしまうのですが、これがバイクと非常に相性が悪い。
なぜかというと、意外にもバイクは磁気を帯びているから。エンジン回りは発電機がついているので何となくわかりますが、メーター&ハンドル周辺もかなり磁気を帯びています。

そんな中、ハンドル周りに方位磁石をつけると狂いまくってまともに使えません。
私が使っているマルチメーターも地磁気で方位を表示するので、正しい方角を表示しません。

そうなると地磁気は利用できない。そこで出てくるのがGPSでの方位表示です。
GPSセンサーと衛星は非常に高性能で、現在地を示すだけでなく走行している進行方向なんかも表示してくれます。
今回はこれを利用します。

まとめ

長くなりましたが、今回の「旅を楽しくするArduino端末」には2を除くすべての機能を実装しようと考えています。
次回以降の記事では各機能の単品デモを紹介してから、それをまとめた総合デモを紹介致します。
その紹介が終わり次第、ハンドルに乗せるための最終設計を行い作成を開始する予定です。

デモの紹介記事ではArduinoの詳細な使い方などは説明しない予定ですが、センサーに関してはできるだけ詳しく解説したいと思います。

では次回まで・・・

旅を楽しくするArduino端末を作る。リンク集

その1-不満点を挙げよう- 
その2-不満点をまとめよう-

その3-電圧測定器を作る-
その4-温湿度計を作る-
その5-気圧計を作る-
その6-方位・高度計をGPSで-
その7-12Vバッテリーから電力供給
その8-Ver1作成-
その9-電圧計の誤差とその代替案-
その10-Ver2へアップデート-
その11-LCDをI2Cで制御しよう-
その12-LCDをI2C化-
その13-Ver3へアップデート-
その14-USB充電の仕様に関して-
その15-Arduino言語を用いながらBluetoothで通信できるESP32-
その16-旅Arduino Ver4 スマホアプリ化-

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