単発センサー紹介の取り敢えずの最終回である第7回は、バイクのバッテリーからUSBと、Arduino電源を供給するためDCDCコンバータを用いて、検証&動作を確認していきます。
第6回はこちらからどうぞ
注意事項と免責事項に関して
紹介前の注意事項に関してですが、今回はバイクのバッテリーから電源を取得するため、作業には危険が伴います。
また、バイクの電気回路保護方法には様々な方法があり、今回の方法を真似してバイクが故障する可能性も少なからずあります。
本項の説明は、自己責任のDIY紹介であることをご承知おきください。
安全をとるならバイク専用のUSBから電源を引くことをオススメします。
12Vバッテリーから電源を取得する方法
まず最初に理解しておかないといけない点として、エンジンがかかっている状態のバッテリー電圧は14Vほどまで上昇する点です。
降圧に用いる部品も耐圧12Vではなく、20Vほどまで耐圧できないと常用が厳しくなります。
また、海外製のバイクや、原付バイクはバッテリー電圧が異なる場合があるのでそこにも注意が必要です。
今回は、Arduinoの動作電源には9V0.5AのDC-DCコンバータ(M78AR09-0.5)を使用します。
12Vから9Vや5Vなどに降圧させる方法はいろいろありますが、メジャーな方法としては3端子レギュレータ(写真左)を用いる方法と、DC-DCコンバータを使用する方法があります。
どちらも放熱やノイズ除去が必要になりますので、別途調べてみてください。
配線
データシートを見て配線を行っています。DC-DCコンバータ以外には入出力にコンデンサを接続させてます。
データシート上でのノイズ除去は巻線インダクタを使用していますが、そこまでノイズにシビアなものを取り扱ってませんので、今回は使用していません。
本実装では検討したいと考えています。
実験の際、電源にはAC100VをACコンバータでDC12V,1Aに変換させてます。
負荷もかけてませんので、ヒューズもポリスイッチを利用しています。
負荷をかけた際は、電圧の逆転を防ぎDC-DCコンバータを保護するため、ダイオードが必要になります。
いろいろと前提のお話をしましたが、実験程度であれば上記の構成で、問題なく動作しました。12V出力を9Vに安定して降圧できています。
負荷をかけた際も3端子レギュレータほど放熱を気にする必要はありません。
Arduinoへの供給電源はこれを採用します。
USB電源について
USB電源に関してですが、一番右の放熱板付き5V,2ADC-DCコンバータ(YDS-205)を使用します。
はじめに結論から申し上げますと、通常給電はできましたが、2Aの高速充電には対応できませんでした。
USBにはBattery Chargingという規格が存在し、その中で充電用ポートであることを示すDCPを実装してみたのですが、スマホが認識しませんでした。
(通常の給電はできる)
モバイルバッテリーは500mA以上で給電できましたので、動作自体は問題なさそうです。
回路
写真はモバイルバッテリー給電時のものです。560mAで給電しています。
出力にも安定して5V出てますし、異音、発熱等もありませんでした。
コンデンサ等の使用に関してはYDS-205のデータシートをご覧ください。
また、9Vと同様に逆流防止用のダイオードも、常用するなら実装が必要です。
よくよく考えたら、シガーソケットでUSB充電できるものをばらして、12V給電させればなにも問題なく動作させれるので、こんなに苦労する必要なないんですよね。
実装はシガソケ分解案を採用すると思います。
結果
実験では安定した電源を用いていたので、バイクに乗せる際は電圧変動に問題なく対応できるか確認が必要です。
それ以外にはエンジン始動時の突入電流を考慮した設計にもする必要があります。
こちらは突入電流抑制サーミスタやコイルを使用するなどがあります。主電源にスイッチをつけるのも手です。
まとめ
今回で旅を楽しくするArduino端末の、制作に必要な部材の説明が終わりました。
これら部材をまとめ、またLCDと接続させ端末を作成していきたいと思います。
試運転が問題なく出来たら記事にしますので、よろしくお願いいたします。
旅を楽しくするArduino端末を作る。リンク集
その1-不満点を挙げよう-
その2-不満点をまとめよう-
その3-電圧測定器を作る-
その4-温湿度計を作る-
その5-気圧計を作る-
その6-方位・高度計をGPSで-
その7-12Vバッテリーから電力供給
その8-Ver1作成-
その9-電圧計の誤差とその代替案-
その10-Ver2へアップデート-
その11-LCDをI2Cで制御しよう-
その12-LCDをI2C化-
その13-Ver3へアップデート-
その14-USB充電の仕様に関して-
その15-Arduino言語を用いながらBluetoothで通信できるESP32-
その16-旅Arduino Ver4 スマホアプリ化-
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